食と芸能を高原で満喫 新郷ふるさとまつり

2019/11/23 - ファンクラブ通信

村最大のイベント

毎年10月、標高350㍍の高原にある青森県新郷村の間木ノ平グリーンパークで、「新郷ふるさとまつり」が開かれる。地場産品の販売やステージイベントなどを楽しめる、村最大の催しだ。

村おこしの一環として1986年に始まった。昭和天皇の病気によって開催を控えた88年を除き、毎年企画されている。台風シーズンのため、悪天候での中止は過去3回あるという。2018年も台風で中止になったため、33回目の今年は2年ぶりの開催だ。まつり当日の10月6日、会場に足を運んだ。

幅広い世代に人気のステージショー

まつりは屋外ステージのイベントで幕開け。定番の郷土芸能フェスティバルでは、ナニャドヤラ、鶏舞、大黒舞、駒踊りなど7演目が繰り広げられた。

今年は、毎年この後に行われていたカラオケ大会に替え、ヒーローショーにアイドルライブ、サッカーJ3・ヴァンラーレ八戸の選手とのPK対決など、初の催しが企画された。

親子連れや若者など、より幅広い世代を誘客するためだという。狙い通り、多世代でにぎわう様子が見られた。

婦人会のおもてなし

人気の一つが、村連合婦人会による「きのこ入りせんべい汁」の振る舞い。カックイ(ナラタケ)やゴボウ、キャベツなど、具材は10種類以上。山菜のミズを入れるのが婦人会流だ。

同会の佐藤久美子会長によると、まつり開始当初から続けているという。「婦人会のおもてなしよ。こんな山奥までお客さんに来てもらうんだもの」とにっこり。

格安の一杯100円、限定千食。鶏がらだしの優しい味わいに、ほっこりした。

販売は年2回、ワイルドベーコン

会場で販売される地場産品も多彩だ。村の名物と言えば、海外にも輸出している村ふるさと活性化公社の「飲むヨーグルト」。だが、肉製品も要チェックだ。

特に、骨付き豚バラの薫製「ワイルドベーコン」は、基本的にこのまつりと春の牧場まつりでしか販売されないレア商品。4~5㌔の肉の塊を、客の目の前でカットする。

販売前から長い列ができていた。早い人は2時間前から並んだという。買えるのは1人1枚。先着100人分は、25分弱で完売した。ありつけなかった人々からは、落胆の声が漏れた。

開発中の「銀の鴨」グルメも

18年春、村に高級カモ肉の専門農場「銀の鴨(かも)」が移転してきた。村は今、銀の鴨を使ったご当地グルメの開発を目指している。

この日は開発に携わる村のラーメン店「えびす屋」が、カモラーメンの試作品を限定販売していた。カモだしスープに、炒めたカモ肉とネギ、メンマのトッピング。

カモだけに、飛ぶような売れ行き…とは、いかなかったようだ。なんせ1杯千円! 高級食材だもの。

収穫に感謝、山の味覚いかが

物産販売会場には、特産のトウモロコシ「郷(さと)のきみ」などを生産する農業後継者の会をはじめ、シイタケ生産団体、農協、商工会青年部など村内9団体がずらりと出店。採れたて野菜やコメ、串餅などの加工品、イワナの串焼きといった、多彩な食を並べていた。

品定めしていると、声を掛けてくれたのが売り手の農家さん。「うちのトマトあげるよ。食べてみて」と、小袋いっぱいに自慢のトマトを詰めてくれた。

まつり実行委員会事務局の佐藤泰司・村企画商工観光課長は「このまつりは、地場野菜を安く提供する収穫感謝祭の意味合いもある」と語る。

行楽の秋、山の味覚を求めて新郷を訪れてみては。

 

[デーリー東北新聞社五戸支局支局長 出川しのぶ]

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