移住者のライフスタイル外井 亜希さん(おいらせ町 平成24年 Iターン)

外井亜希(そとい・あき)
北海道余市町出身。札幌国際大学短期大学部で心理学を専攻し、その後銀行員に。平成20年結婚。夫の赴任に伴い24年8月、おいらせ町へ。任意団体おいらせもりのようちえん代表、同じくJoy-rasse(ジョイラッセ)副代表、青森県社会教育委員。

自然の中でみんなで子育てこの町だから実現できた夢

 木漏れ日の中、ブランコやハンモックで遊ぶ子どもたち。大人たちは、うちの子もよその子も関係なく声をかけ、見守ります。牧場にこだまするのは歓声と、風に揺れる木々のざわめき―。
 初夏のある週末、おいらせ町で行われた親子自然体験イベントの1コマです。主催は町の社会教育団体『おいらせもりのようちえん』。代表の外井亜希さんは生まれも育ちも北海道です。5年前、夫の赴任に伴っておいらせ町に移住し、そのまま定住を決めました。根を下ろすほどに惚れ込んだ理由は、「食・人・気候・自然の全部!野菜のレベルが高くて、種類も豊富ですよね。果物もおいしい。ショッピングモールが近いから買い物に便利で、幹線道路があり交通アクセスもいい。私にはちょうどいい田舎具合」
 「自然の中で子どもたちの生きる力を育てる」をコンセプトに団体を設立したのは平成28年。おいらせ町だからこそ実現できたといいます。「熱意だけで知識のない私に、役場の方が手続きを熱心に教えてくださったり、町で活動中の他団体の方々も、新しいことを始める人に対して『失敗したっていい、やってみなさい』という暖かい雰囲気がある。居心地がいいんです」
 その後SNSなどで繋がった地域の仲間をスタッフに迎え、毎週のように親子向けイベントを開催。夏はカヌー、冬はスノーシューハイキングと、自然とふれあう喜びを伝えています。北海道在住時は、冬山登山やロッククライミングに没頭。ハードな状況になればなるほどやる気が出たそうですが、おいらせ町に来てからは、穏やかな里山の良さをかみしめています。
 「子連れでパッと行ける手近な自然が最高。植物や鳥の種類が豊富だし、奥入瀬川の河口付近は流れがゆるやかで初心者のカヌーにぴったり。誰もが気軽に遊べる場がたくさんある。でも、意外と地元の人にもその魅力が知られていなかったりして、もったいないなと思います。自然の楽しみ方、遊び方をもっともっと広めていければ」

”ワクワク“が生きる力を育む

 小学3年生を筆頭に3人の女の子のママである外井さん。子どもの医療費助成や第3子の保育料無料といった、町の手厚い子育て支援制度には大いに助かっているとか。移住者も地元民も関係なく近所同士のコミュニティがあり、家族ぐるみの友人もできました。充実した環境のおかげで、子育てと団体代表の両立を負担に感じたことはありません。現在の目標は法人化し、助成金に頼らない運営体制を整えることです。イベントには子どもたちも連れて行き、時には参加者のガイド役を務めてもらうことも。
 「家族と一緒にやりたいことをやれている
から、今は毎日ワクワク。大人が楽しんでいると子どもにも伝染するんですよね。ワクワクする心が、自分から幸せをつかみ取れる力、生きる力につながると思う。私だけじゃなく、いろんな大人のワクワクを子どもたちに伝え続けていきたい」
 「樹木医と歩くお散歩ツアー」や、「障がいを持つ子どもたちが主役のイベント」など、新企画も進行中。外井さんの周りではこれからも次々とワクワクが生まれ、広がっていくことでしょう。

移住者のライフスタイル

 移住先は「ほどよい田舎」が人気です。
 生活するうえで必要な都市機能を備えながらも身近に美しい自然が広がり、人と人の支え合いが根付く暮らし。そんな便利さと暮らしやすさを兼ね備えた生活空間がここにはあります。
 物質的な豊かさは都会ほどではないかもしれません。
 でも、心にゆとりを与えてくれる人との絆がここにはあります。人との絆を、個人の制約ではなく個人の楽しみに変えることができる人に、この地で半都半邑の楽しさを味わってほしいのです。