移住者のライフスタイル小島 豪悟さん (田子町 令和2年 Uターン)

小島 豪悟(こじま・たけのり)
1997年生まれ。仙台市の専門学校でNSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)認定スポーツトレーナーの資格を取得。卒業後、大阪の複合トレーニング施設に2年間勤務し、2020年Uターン。八戸の企業に1年ほど勤めたのち、21年「Conditioning Gym FORCE」を起業。田子町と六戸町を拠点に、トレーニング指導やボディケアなどの事業を展開している。

地元にトレーニングジムを!Uターンを決意し、夢を実現

 小学校から高校まで、地元で野球に打ち込んでいた小島豪悟さん。高校時代、ケガに苦しんだ経験から、トレーナーの道を志したといいます。
 「自分のようにケガで十分に競技ができない人をサポートしたい、体のケアについて勉強をして、たくさんの方に伝えたいと考えるようになりました」
 専門学校卒業後、勤務した大阪の複合トレーニング施設では、発達障害を持つ子どもたちが通う放課後デイサービスや高齢者デイサービスで運動指導を担当。「今につながる貴重な経験だった」と振り返ります。
 小島さんがUターンを決意したのは、2020年のこと。きっかけは母親の体調不良でしたが「地元で自分のジムを持つ」という夢も、決断の後押しとなりました。7月に田子町に戻り、八戸の企業に勤めたのち、21年10月『ConditioningGym FORCE』を起業。「一人ひとりの身体の状態やニーズに合わせたトレーニングの提供」を目指し、パーソナルトレーナーとしての活動をスタートさせます。
 当初は田子町にある商店街の広場を間借りして活動していましたが、現在はレンタルスペース『ワンド』に拠点を構え、口コミで広がった人気のもみほぐしの他、健康維持や介護予防のトレーニングを重点的に提供。さらに22年6月、知人からの紹介で六戸町にある建設会社の2階を借り、完全予約制のジムを開設。一般の方へのダイエット指導や野球部に所属する中高生にフォームの個別指導をするなど、活動の幅を広げています。

子どもから高齢者まで田子町の健康を全力サポート

 起業からまもなく1年。小島さんの次なる目標は、ゴールデンエイジと呼ばれる年代の子どもを対象としたジュニアアスリートスクールを定着させること。「子どもたちが本来持っている能力を最大限引き伸ばしてあげたい」と意欲的です。
 「田子町の子どもたちは幼少期から相撲やスキーに触れ合う機会が多く、他の町の子どもたちとくらべても運動のスペックが高い。小さい時から適切なトレーニングをしていけば、ケガのリスクも減り、競技力が上がるのではないかと感じています」
 少子高齢化が進む田子町で、子どもから高齢者まで、幅広い年代のサポートを考えている小島さん。「自分を育ててくれた場所で、これからもできることを増やしていきたい」と力強く話します。移住したばかりの頃は不安もあったそうですが、今では「知らない方からも声をかけてもらえるようになりました」とニッコリ。田子町の緑の豊かさ、地域の方の優しさ、そして人と人とのつながりの強さを改めて感じているそうです。

移住者のライフスタイル

 移住先は「ほどよい田舎」が人気です。
 生活するうえで必要な都市機能を備えながらも身近に美しい自然が広がり、人と人の支え合いが根付く暮らし。そんな便利さと暮らしやすさを兼ね備えた生活空間がここにはあります。
 物質的な豊かさは都会ほどではないかもしれません。
 でも、心にゆとりを与えてくれる人との絆がここにはあります。人との絆を、個人の制約ではなく個人の楽しみに変えることができる人に、この地で半都半邑の楽しさを味わってほしいのです。