奥深い魅力体感 「坂の町」五戸のまちあるき

2019/11/02 - ファンクラブ通信

大空へ続く坂道

青森県五戸町の町役場に電話し、通話の保留時の音楽を聞いたことがあるだろうか。流れてくるのは、町のイメージソング「大空へ続く坂道」だ。

そう、五戸は「坂の町」なのだ。名監督や選手を輩出した「サッカー」と、「桜肉(馬肉)」のそれぞれの頭文字から、「3Sの町」とも言われる。

町中心部では、町民ガイドが同行するまちあるき企画「まさか!!!!!の五戸のまちめぐり」が、2016年度から行われている。

秋晴れに恵まれた9月中旬。八戸市から訪れた観光客のまちあるきに同行した。

 

天皇に代官…歴史に思いはせて

午前9時半、五戸町図書館前に集合。出発してまず向かったのは、藩政時代に周辺28カ村を統括した五戸代官所だ。代官所は復元だが、門は当時のものを移転、修復したのだという。

続いて「三伝家(さんでんけ)」へ。1876(明治9)年、明治天皇が東北巡幸で五戸を訪れた際に仮宮になった、三浦伝七という人物の家だ。内部は見学できないが、庭にはケヤキの巨木が悠々とたたずんでいた。

歴史に思いをはせながら小道を進むと、通称「ばば坂」という長い下り坂に差し掛かった。昔は馬も歩いたのだろう。その長さと勾配のきつさに、「下りで良かった」と、ほっとした。

平地に田畑、高台に街

五戸川のせせらぎが聞こえる川原町という地区に出ると、田んぼが広がっていた。町内では少ない、平地が広がる地区だ。

そもそも、なぜ五戸は坂が多いのか―。それは、限られた平地を田畑にし、人々は高台に家を建てて街を形成したからだという。

「五戸大工」という言葉があるほど、かつて腕利きの職人が多かった五戸。ガイドによると、「一説ですが、坂に水平に家を建てることで、技術が磨かれたとも言われています」とのこと。

川原町は、水が豊富に湧き出る地区でもある。歩き始めて30分。そろそろ喉が渇いてきたころ、地元の銘酒「菊駒」を醸造する菊駒酒造の前に到着した。酒造りにも使われる湧き水を、水分補給として試飲できた。冷たい水が体に染みた。

事務所では三浦弘文社長が出迎えてくれ、日本酒選びのポイントなどを教えてくれた。土産にワンカップまでもらい、帰宅後の晩酌が楽しみになった。

 

ガイドの話題も興味深く

まちあるきも後半に突入した。前半で下った分、後半は上らねばならない。

今回、一番の上りポイントは、天満宮に向かう階段。急勾配の61段に息が切れる。階段の中ほどから川原町方向に目を向けると、土地の高低差をあらためて実感した。

続いて、商店街へ向かう道にも階段が。しかもここ、歴史の道・奥州街道の一部とのこと。階段脇には豆腐店があった。町内に3店あるという豆腐店。五戸名物の馬肉鍋には必須の具材なのだ。

昭和の雰囲気が残る商店街を散策し、図書館へ戻ってきた。最後は館内の「木村秀政ホール」を見学した。木村秀政(1904~86年)は初の国産旅客機YS―11の生みの親。先祖が五戸代官だった縁で、名誉町民になっている。

約1時間半の行程で、ウオーキングアプリを見ると、3・3㌔、4601歩。町の風土や歴史に触れることができた。

五戸愛あふれるガイドのディープな話題も興味深かった。随所でスケッチブックを広げては小ネタを披露してくれた。

歩いて腹ぺこ! 馬肉鍋でも食べに行こうか。

「まさか!!!!!の五戸のまちめぐり」は、五戸町観光協会=電話0178(62)7155=で申し込みを受け付けている。参加は一人1500円(保険代込み)。

[デーリー東北新聞社五戸支局支局長 出川しのぶ]

 

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