豪華絢爛な山車集結 世界に誇る八戸三社大祭

2019/08/30 - ファンクラブ通信

中心街が歴史絵巻の舞台に

7月に入ると、青森県八戸市内は妙にそわそわとした、落ち着かない雰囲気に包まれる。市民が心待ちにしているものこそ、7月31日から5日間の日程で行われる八戸三社大祭だ。開幕に向けて、祭りの花形でもある豪華絢爛(けんらん)な山車の制作が市内各地で本格化。体に染みついたお囃子(はやし)の音が聞こえると、祭りムードに胸が高鳴る。

お囃子(はやし)

八戸三社大祭は、法霊大明神=現龗(おがみ)神社=が神輿(みこし)行列を仕立て、長者山三社堂=現長者山新羅神社=に渡御したことが始まりとされる神事。期間中は、虎舞や神楽などの郷土芸能を加えた厳かな古式ゆかしい行列が街を練り歩く。それに続く山車は、日本の神話や中国の歴史などを題材に、27の町内会や団体が競い合うように作り上げている。

華やかな衣装に身を包んだ人形や、迫力あふれる巨大な鬼などが台車に積まれ、その姿はまさに圧巻の一言。「ヤーレ、ヤーレ」と響く子どもたちの元気いっぱいの掛け声とともに、市中心部は歴史絵巻の舞台へと変貌する。

各山車組の技術は年々高まっており、発泡スチロールから削り出す細かな装飾は“名人芸”とも言える域にある。その市民のたゆまぬ努力が認められ、八戸三社大祭は2004年に国の重要無形民俗文化財に。16年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、名実ともに世界に誇る祭りへと成長を遂げた。

制作責任者の熱意

山車の制作現場へと足を運んだ。訪れたのは、山車の審査会において17年から2年連続で最優秀賞を獲得中の十一日町龍組。制作責任者を務める石橋元平さん(37)の指示の下、「楊貴妃」を題材に連日遅くまで作業に追われていた。

石橋さんは小さいころからとにかく山車が好きで、工作としてミニ山車を作り、歴史的文献を見て題材の研究を行うほど。その熱意ゆえ、装飾品を仲間に作り直してもらうこともしばしばあるそうだ。「みんなでいいものを作ろうという思いは同じ。チームワークあってこそだよ」と笑う。組史上初の3連覇へ向けて視界は良好のようだった。

石橋さんの制作風景

巨大な仕掛けに圧倒され

迎えた7月31日、ついに祭りが開幕した。今年の山車は、令和への改元や八戸市制施行90周年を題材としたものが多かった。青森ねぶたを取り入れた意欲作も登場。最大で高さ10メートルにもなる仕掛けが施され、その巨大な姿にただただ圧倒された。龍組も古代中国の世界観を見事に表現し、注目を集めた。

前夜祭

ついに今年の山車審査の結果が公表された。各賞ごとに読み上げられ、「最優秀賞は十一日町龍組」のアナウンスに関係者たちは熱狂。涙を流して3連覇をかみ締めるように喜んだ。

石橋さんは「尊敬する先輩たちの背中を追い掛けてここまで来れた。これからは、自分も子どもたちに目標とされるような制作者になりたい」と、山車づくりへの情熱は止まらない様子だった。

十一日町龍組

祭りの余韻

今年の祭り期間中の入り込み数は、過去最高の107万人となった。年々注目度が高まっていることを知ると、八戸市民としても誇らしい気持ちになる。

祭りが終わった今、余韻に浸りながらも、早くも来年が楽しみで仕方ない。自分好みの山車と出会えるかな。このサイクルからはいつまでも抜け出せそうにないようだ。

(※本文中の年齢は取材時点)

[デーリー東北新聞社報道部 小嶋嘉文]

 

 

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