八戸愛あふれる路地裏の人気居酒屋「二ツ屋さかい」

2019/12/07 - ファンクラブ通信

しょうゆまで古里の味にこだわり

東京都世田谷区の東急駒沢大学駅から程近く。住宅街へ続く路地裏で、看板代わりの青いのれんが目を引く。青森県八戸市の出身者なら、見覚えのある地名を冠した店名を、思わず二度見してしまうかもしれない。「二ツ屋さかい」は、埼玉県出身の坂井健さん(42)と同市是川二ツ屋出身の妻・奈緒子さん(44)の夫婦2人で切り盛りする居酒屋だ。

八戸への思いを込めているのは、店名ばかりでない。食材はもちろん、しょうゆまで地元産にこだわっている。奈緒子さんは、その手応えについて「古里の味だからひいき目に見ていたけど、お客さまの反応がすごい」と語る。

家路の途中でサラリーマンが一献傾けたり、近所の顔なじみがふらっと立ち寄ったり。2年前に開店して以来、あっという間に客足が絶えない人気店に成長した。

おいしさに感動

2人の出会いは偶然だった。健さんは割烹(かっぽう)や会席料理店で修業した後、20代半ばの頃に北浦和の和食居酒屋に勤めていた。そこに客として訪れたのが、当時近くに住んでいた奈緒子さんだった。2人は後日、別の飲食店でそれぞれの職場の仲間や友人とお酒を飲んでいた時に再会。「見たことあるよね?」と互いに声を掛けたのがきっかけで、交際に発展した。

2008年に2人は結婚。健さんは奈緒子さんの古里の八戸へ一緒に帰省するたびに、地元のさまざまな食材を味わい、そのおいしさに感動する。いちご煮を初めて食べた時も驚いた。「ウニは焼いたり刺し身で食べたりするぐらいだった。まさかお吸い物にするなんて」。こうした経験が、自らの料理の幅を広げることにもつながっていった。

苦労乗り越え独立

料理人として経験を積みながら、独立志向を持ち続けていた健さん。店のコンセプトは和食と日本酒にすると決めていた。そうくれば魚は欠かせない。「魚はカレイ一つを取っても、種類がたくさんあって、個体によっても味が違う。いろんな料理を提供できれば、お客さまも自分も楽しめると思った」

しかし、念願の独立までは苦労が絶えなかった。奈緒子さんの4歳下の弟が現在の店近くに家を構え、八戸から母を呼んだこともあって、出店の狙いを駒沢に定めた。正社員だった勤め先を辞めて物件探しに専念した健さんを、奈緒子さんが「彼が主体の店だから」と、その間の生計を立てる形で支えた。ただ、なかなか良い物件を探せず、気付くと5年近くが経過。「店を出せればどこでもいいか」と半分諦めかけていた時、前はスナックだったという物件を見つけた。改修し、17年6月に晴れて「二ツ屋さかい」として生まれ変わった。

食材の魅力 引き出したい

店の内装にはこだわった。「田舎っぽく、いろり端で飲んでいるような雰囲気にしたかった」と健さんが説明するように、天井には天つり格子を設ける凝りよう。奈緒子さんは、遠洋漁業の漁師だった亡き父の形見代わりに、実家にあった船のかじのレプリカを壁に飾った。「店ができたら、いつかやってみたかった。見守ってくれているような感じにしたくて、わざとカウンターが見える位置に飾っている」

30種類ほどある定番メニューの中で、特に人気があるのはイカだ。奈緒子さんは「焼いても天ぷらでも、特別手を加えているわけではないのにおいしいと評判なので、そもそも八戸のイカ自体がおいしいんだという結論になった」と笑う。

出したいメニューの構想は尽きないが、妥協は決して許さない。「ただ出すんじゃなく、食材の魅力を引き出すような提供の仕方をしないと。青森県には誇れるものがたくさんある。出す側の責任としてスキルアップできたら」と奈緒子さん。夫婦は二人三脚で、これからも走り続ける。

(※本文中の年齢は取材時点)

・二ツ屋さかい

【住所】 東京都世田谷区上馬4の4の8 新町駒沢ビル101

【電話】 03ー5779-6630

【その他】フェイスブックページあり

[デーリー東北新聞社東京支社編集部 藤野武]

 

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