色とりどり ニンニク加工品の世界

2019/11/30 - ファンクラブ通信

町の特産品 開発続々と

ニンニクの生産が盛んな青森県田子町。町商工会が管理する「田子町特産品認定制度」はニンニクを使った加工品を特産品として認定する制度で、2010年度に導入されてから現在までに、町内の11事業者の計47商品が認定を受けている。開発を手掛けるのはニンニクの加工業者ばかりではない。異業種の参入も増えているのが特徴だ。色とりどりの加工品の中で、18年度に新たに仲間入りした3商品を紹介する。

貴族のマヨネーズ

初めに取り上げるのは「TAPUKO The GAMA」(タプコ・ザ・ガマ)。大航海時代の偉人になぞらえて命名した商品で、パッケージも特徴的だ。

どんな商品かを知るヒントは「ガマ」の部分にある。「ガーリック」と「マヨネーズ」の頭文字を取った造語だ。その名の通り、ニンニク風味のマヨネーズを想像すると分かりやすい。

酸味がやや強く、普段食べ慣れているマヨネーズほどしつこくない。どことなく上品さを感じさせる。価格は150㌘入りで1350円(税込み)と、マヨネーズとしては超高級品だ。

ステーキや魚介類などと合わせて食べるのがお薦めという。高級食材にマヨネーズをかけることには抵抗があるが、高級調味料なら別。安売りしない〝とがり具合〟が、商品のコンセプトを際立たせているように思う。

デザインも魅力の一つ。外箱を切り込みに合わせて折ると、ニンニクを思わせる形になる。この商品を考案したのは町内の美容師で、容器はポマードを意識したという。異業種の人ならではの遊び心が面白い。

勝手にキャッチフレーズを付けるなら、「貴族のマヨネーズ」。町内の物産館などで購入できる。

肉のプロのローストビーフ

「田子牛ローストビーフ」は、町内のサンモールたっこ商店街の一角に店を構える、精肉店「()肉の博明」が販売する商品。この店で扱う牛肉は、日本食肉格付協会が最高級に位置付けるA5ランクやA4ランクの田子牛のみで、一頭買いで仕入れる。こだわりの専門店が送り出す「肉のプロのローストビーフ」だ。

原料には、赤身の多いもも肉を使用。赤ワインやニンニクなどを調合した秘伝のたれに漬け込んでから、オーブンでじっくりと焼き上げる。100㌘1080円(同)で、店頭にはブロックで並ぶが、切り分けもしてくれる。

ニンニクしょうゆ味の特製だれが付いており、あっさりとしたたれが肉のうま味を引き立てる。

おいしい肉に合わせるといえば「ガマ」。早速、コラボに挑戦してみると、和風から洋風に味が変わり、相性は良さそうだ。

虹色ドレッシング

三つ目の商品は「たっこ産にんにくドレッシング」。「貴族のマヨネーズ」、「肉のプロのローストビーフ」と勝手にキャッチフレーズを付けてきただけに、最後まで完走するしかない。すばり「虹色ドレッシング」だ。

開発したのは、青森県外から移住し、町内でカフェを営む女性。地元食材を生かすのはもちろんだが、無添加にもこだわる。

無添加で長期保存するには、酢を多く使わなければならないという。酸っぱくなりがちだが、この商品はリンゴ酢を使用しており、まろやかな果実の風味が特徴。ニンニクを炒めて甘味を引き出すなど、一手間が光る。

サラダのドレッシングだけではなく、パスタのソースや、肉を炒める際の味付けに使う人もいるという。1本150㍉㍑入りで、640円(同)。自身の店や、町内の物産館などで購入できる。

商品開発のきっかけは、町が行った研修会に足を運んだこと。そこで知り合った女性たちと一緒に「虹色クリエーターズ」という団体を結成し、それぞれの商品を持ち寄り、統一ブランドでの販売を目指している。

このカフェの女性は、「にんにく」以外にも「にんじん」「えごま」「いちご」の各ドレッシングも製造しているという。他の仲間の分を含めると、ドレッシングだけでもかなりの数になり、食べ比べも楽しめそうだ。

田子町のにんにく特産品2019(PDF)

[デーリー東北新聞社三戸支局支局長 金澤一能]

 

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