たっこにんにくの魅力がつまった「ガリステごはん」

2019/03/29 - ファンクラブ通信

田子の環境と努力の賜物「たっこにんにく」

国産ニンニクの約7割を生産しているのが青森県。最も産地として名高いのが岩手県と秋田県に接する田子町だ。大部分を山地が占めている田子町は、野菜づくりに適さない火山灰土壌で、昔は林業や畜産、出稼ぎで多くの人が生計を立てていた。ニンニクの栽培が始まったのは昭和30年代ころ。畜産での堆肥を活用して土壌を見直すなど、町を上げて栽培に取り組み、平成18年には「たっこにんにく」の名で商標登録をはたす。

田子町で栽培されているのは「福地ホワイト六片種」という品種。冷涼な気候に適した品種で、秋に植えられると冬は雪の下で過ごす。山間地域という寒暖差が大きい環境も手伝い、田子産のにんにくの糖度はメロンの倍以上。芳醇な風味も特徴で、収穫時期の初夏には町全体がニンニクの香りに包まれるのだ。また、町内では街灯やポストなど、ニンニクのモニュメントをいたるところで目にする。それほど町はにんにく愛に溢れている。

みんなで食べれば匂いは気にならない!

そのニンニクを思いっきり味わえるのが、平成28年3月29日にデビューした「田子ガーリックステーキごはん(通称「ガリステごはん」)」。田子町内にある「御食事処なくい」、「田子町ガーリックセンター」、「勇鮨」の3店舗で提供されている。

「ランチで提供するために気になったのが香り。最初はどうやって香りを消すかを考えていましたが、ガリステごはんは逆転の発想ですね」と勇鮨の佐藤剛大さんは話す。世界初のニンニクフルコースランチを作ろうと、ご当地グルメプロデューサーであるヒロ中田氏と田子町内の料理人が共同で開発。「みんなで食べれば臭くない」をテーマに、32回もの試作を経て今の形になった。

「昼のニンニク料理は受けるのだろうか」と町の人達の不安をよそに、デビューから数ヶ月で年間目標を達成する好評ぶり。特に女性からの評判がよく、中には2年後まで予約を入れている人もいるほどだ。

田子の豊かさを感じる味わい方

さて、気になるガリステごはんの中身を紹介しよう。まずはウェルカムドリンクであるニンニク入りコーラ、その名も「タッコーラ」を飲み干す。大きなお盆で運ばれてきたのは前菜とメインの肉巻き寿司。前菜は9種類のニンニク創作料理で、農業が盛んな田子の素材をふんだんに使用している。ここで気をつけたいのが、左端から順に食べ進めること。そうすれば一品ごとに落とし込まれたニンニクの強弱を感じることができる。

前菜を終えて口がニンニクに慣れてきたら、メインの肉巻き寿司へ。寿司下駄の上に鎮座するのは、これまた田子町の名産である牛・豚・鶏の肉と3片のニンニクだ。目の前の鍋で焼いたら田子町産あきたこまちのシャリを、肉で包み込んだらいざ口の中へ運ぶ。とろけるような脂とご飯の組み合わせに、思わず笑みが溢れる。おすすめは豚→牛→鶏→ニンニクと食べ進めるルーティーン。またフライドガーリックとニンニクのガリを添えると、より味わい深い。最後はデザートのガーリックアイスだ。この1食でL玉のニンニクを一玉分ほど使用しており、完食した頃には満足感とニンニクの香りに包まれる。食後に臭い消しのグミを振る舞ってくれる気遣いが嬉しい。

「田子の自然と生産者のおかげで提供できる一品です。今後は今まで以上に地産地消に心がけて、生産者と結びつけていきたいですね」と佐藤さん。ガリステごはんは毎年3月29日に前菜メニューをリニューアルしている。毎年パワーアップできるほど、田子町は素材に恵まれているのだ。

田子町ガーリックセンター

[大人のための北東北エリアマガジン rakra ラ・クラ ライター 小田切 孝太郎]