にんにくの町でのにんにくイベント(2019)
驚きのにんにくづくし!
にんにくは料理に欠かせない食材。料理の風味づけや味のアクセントをつけたいときに重宝する。このにんにくの国内シェアの約7割を占めているのが青森県だ。その中でも、唯一ブランドにんにくとして地域団体商標を取得し、品質の良さに定評があるのが田子町だ。
その田子町で、たっこにんにくのイベントがあると聞くと、どんなイベントなのだろうと俄然、興味が湧いてくる。ということで、2月23日(土)、八戸駅から国道4号線を通って田子町へ。約1時間のドライブだ。会場の田子町農業者トレーニングセンターに近づいてくると、車と人がいっぱい。開場前にもかかわらずの熱気に驚きつつ、会場に入るとさらに驚きが! ホールの壁に沿ってブースがずらりと並び、各ブースのにんにく料理や加工品を求めて、すでに長い列ができている。
にんにくまつりの実行委員会の実行委員長を務める工藤義広さん(田子町産業振興課課長)に聞くと、10時30分時点で1100人が来場しているという。
「田子町といえば、たっこにんにく。町ではたっこにんにくに関するイベントを、6月・10月・2月の年3回開催しています。たっこにんにくの味を覚えてもらうことが目的。毎年、好評で年々、出店者も増えています」
そして、山本晴美町長は「たっこにんにくの知名度は高いけれど、田子町がどこにあるのか知らない人が多いのです。にんにくを通して、田子町を知ってほしい。そのきっかけの一つとなるのが『たっこにんにくまつり』だと思います。町民が一体となって作り上げているイベントなので、これからも足を運んでほしい」と話す。
町民が盛り上げるイベントだけあり、この日も2000人以上が来場!
今回は平成29年10月に品種登録され、昨年3月に愛称が決定した新品種「美六姫(みろくひめ)」のお披露目も兼ねている。美六姫は、粒(1片)が大きく、白く、さらに糖度が30度以上もある。これはブドウやイチゴなどのフルーツを超える糖度なんだとか。会場ではその試食会が行われていた。
田子にんにくの料理を堪能する
「たっこにんにくまつり」のメインイベントは、「NINNIKU料理オンリー1の店決定グランプリ」。ネーミングどおり、たっこにんにくを使った料理のナンバー1を決めるイベントだ。町内の「田子町ガーリックセンター」や「肉の博明」、八戸の「大安食堂」など、味自慢の店が8軒エントリー。1品300円で食べられるとあって、何品も食べ歩いている人が多い。
まずは田子ガーリックセンターの「黒べごDONG!」からいただこう。
これは、黒にんにくと黒べご(田子牛)で作った肉味噌が乗った丼。思いっきりかき混ぜて味わうと、田子牛の旨味と黒にんにくの風味が効いて美味! もう1度行列に並びたいほどおいしい。
次は、八戸市から出店している「大安食堂」。この店は、舘鼻岸壁朝市で行列をなす「しおてば」で有名な店である。大安食堂は、「たっこにんにくまつり」のためのオリジナルのしおてばを持って参戦! 2年連続でグランプリを獲得している強者だ。揚げたてを頬張ると、口の中にガーリックの香りがふわっと広がり、鼻に抜けていく。たっこにんにくの風味をつけたオイルで揚げているという。肉も柔らかく、おいしい。
グランプリに参戦していないが、田子の鍋販売のコーナーもあり、どのブースの鍋からも湯気が立っている。「田子牛スジ鍋」「きのこ入り田子豚鍋」など5種類もあった。
食だけでない、プログラム目白押し
たっこにんにくのおいしさを満喫しているうちに、ステージでは、「タッコーラ早飲み大会」や「ゆるキャラPRタイム」とプログラムが進む。
たっこ王子がステージに登場したとたん、子どもたちが走り寄ってくる。
そして、これから1年間、田子町とたっこにんにくをPRする「ガーリックレディコンテスト」が始まった。各人、田子町とたっこにんにくに対する愛を語り、会場からも拍手が起こる。ガーリックレディには沼倉裕美さんが選ばれた。
さて、気になるグランプリ優勝は、「にんにくあぶらそば」で挑んだ八戸市の「極肉麺たいし」。店主の中沢和寛さんは田子町出身で、以前からたっこにんにくは身近な存在だったという。
「初めての参加で、優勝できてうれしい。たっこにんにくは、あまみとえぐみのバランスが取れており、使いやすい食材。ふだんから店でも使用しています」
終始、笑いにあふれていた「たっこにんにくまつり」。来年は、どんなメニューが登場するのか楽しみだ。
- 田子町観光協会 https://takko-kanko.com
- 田子町ガーリックセンター https://garlicenter.com
[大人のための北東北エリアマガジン rakra(ラ・クラ) 編集・ライター 三宅真由美]
(記事内容は2019年取材時のものです。2020年開催情報は、こちらの記事へ)
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