広がる磯の香り 魅惑の生ウニ丼
種差海岸の有名店へ
青森県内でもウニ漁が盛んな八戸市や階上町。日中の最高気温が30度を超える真夏日となった7月29日、魅惑の食材である旬のウニをたっぷり味わおうと、同市の種差海岸芝生地にある有名店「芝亭」に足を運んだ。
新鮮さにこだわり
店で迎えてくれたのは、社長の丹波貴子さんと、調理場に立つ兄の俊昭さん。この道40年という俊昭さんは、日頃は海外の飲食店で、この時期は実家でもある芝亭で腕を振るっているのだという。早速、目当ての「生ウニ丼」を注文した。
芝亭では、その日に地元で採れた新鮮なウニを提供するのがこだわり。生ウニ丼は、ふっくらご飯に甘味の強いバフンウニとあっさり味のムラサキウニをほどよいバランスで乗せ、カイワレ大根と刻みのりを添えるのが基本スタイルだ。形崩れを防ぐためのミョウバンなどの添加物は一切、使っていない。
店では、ご飯に載せるウニの量を55グラムか80グラムか選ぶことが可能。値段は55グラムが2600円で、80グラムが3440円だ。
「ご飯が見えなくなるほど載せる店もあるが、ウニをしっかり味わうならこのぐらいがちょうど良い」と俊昭さん。提供いただいた生ウニ丼をすぐにかき込むと、口いっぱいに磯の香りが広がり、一瞬で満足感に包まれた。
ふと窓の外に目を向けると、異国情緒あふれる天然芝生と青い海の絶景が。一度で二度おいしい、いや、今回は「いちご煮」もプラスしたので、一度で三度おいしい食事となった。
卵とじのウニ丼も魅力
この時期、来店客の注文はほとんどが生ウニ丼だというが、店では「ウニ丼」も提供している。生ウニ丼とは少し異なり、ウニ丼は卵でとじたウニをご飯に載せたものだ。
ちなみにウニをご飯に載せる食べ方は、ウニ丼が始まりだという。生ウニを頻繁に食べる文化が定着していなかった約40年前までは、ウニ丼がウニ料理の主力だった。こちらも本当に魅力的な一品だ。
甘味を堪能する食べ方
実はこの日、ウニを味わうより前に、まずは漁の現場を見てみたいと海沿いの県道1号を車で走った。早朝から日差しは強かったが、車の窓を開けると潮風が気持ちいい。途中で思わず車を止め、体全体で深呼吸した。
しかし、何の事前情報もないまま進んだこともあり、その後も漁師さんの姿は見当たらないまま。ひたすらに三陸復興国立公園の絶景を望むドライブになってしまった。
そんな余談はさて置き、この機会に、俊昭さんにウニのお勧めの食べ方をこっそり聞いてみた。世界を股に掛ける俊昭さんなら、きっと別のおいしい食べ方を知っているはず。おそるおそる聞いてみると、レモン塩か、タスマニア産のブラックペッパーをかけて食べるのが絶品と教えてくれた。
いずれも、しょうゆで食べるのに比べ、ウニの甘味がぐっと口に広がるとか。どちらも未経験の食べ方で、想像しただけで心はもうお祭り騒ぎだ。早速、家で試してみようと思う。
生ウニ丼やウニ丼はもちろん、皆さんもぜひ、新しい食べ方を見つけてみては?
[デーリー東北新聞社 報道部 上野貴裕]
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