「11ぴきのねこのまち」の夏まつり

2019/09/14 - ファンクラブ通信

1200個の幻想的な光

青森県三戸町の中心街で盆ごろに行われる「さんのへ夏まつり」は、30~40年前から続く、地元の人たちにとってなじみの行事。日が落ちた大通りは歩行者天国となり、青竹につるされた約1200個のちょうちんが幻想的にライトアップする。広場のステージや夜店が並ぶ路上では、イベントが催され、町民らを楽しませてきた。

今年のまつりは、町商工会や町役場の関係者らでつくる実行委員会の主催で、8月9日・10日の両日に開催された。

1200個の幻想的な光

「ねこだらけ」の仮装大会

初日のメイン行事は、9回目を迎えた「11ぴきのねこ仮装大会」。絵本「11ぴきのねこ」の作者の故・馬場のぼるさんが、町出身ということにちなんだ企画だ。参加者は絵本のキャラクターになりきり、3分間のパフォーマンスで、作品の世界観などを表現する。

町長や町商工会長、この作品を出版する「こぐま社」の役員らが審査員を務め、一般投票も加味して各賞を決める。観客にとっても、審査に参加できるのがうれしいところだ。

大会は中心商店街の一角に設けられた、おまつり広場のステージで午後6時半に始まった。会場では、投票用紙と一緒に紙製のねこのお面も配られる。見る側もねこに変身すれば、準備OKだ。

ねこだらけの仮装大会

会場沸かせた5組の熱演

出場したのは町内外の5組。トップバッターは、町内の小中学生で構成するバトントワリングチームが務めた。得意のダンスや、日頃から練習しているバトンを使った演技は見事。大会を連覇した経験もあり、実績十分だ。

バトンチーム

2番手は、地元の卓球クラブチームの小学生たち。創作の寸劇で勝負した。子どもらしい、型にはまらないハチャメチャな展開がほほ笑ましく、絵本のねこたちの無邪気な姿に重なった。ダークホースの登場か!?。

3組目は八戸市の中学校3年生のグループ。1学年が11人というのが縁で出場したとか。きゃりーぱみゅぱみゅの曲に乗り、キレキレのダンスで会場を盛り上げた。担任の教師も参加し、クラス仲の良さが表れていた。

続いての登場は、サッカーJ3「ヴァンラーレ八戸」の名物サポーター。トレードマークの虎のマスク姿で、チームの応援歌を熱唱した。ねこではない気もしたが、ネコ科と見なされ、レッドカードは免れたようだ。

ヴァンラーレ八戸の名物サポーター

大トリは、八戸市の小学校5年生の女の子。昨年のチャンピオンで、普段から動画投稿サイトを利用してパフォーマンスを公開する、いわゆる「ユーチューバー」だ。ジッタリン・ジンの「夏祭り」の替え歌を堂々と歌い上げた。

コスプレやバンド演奏も

審査の結果、1位の「11ぴきのねこ大賞」に輝いたのは…八戸市の中学生グループ。生徒たちが心から喜んでいたのが、見ていてすがすがしかった。

余談だが、この大会は町商工会が関わるだけに、各賞の賞品がなかなか豪華。今回の大賞には5万円分の商品券などが贈られた。出場者は町外からも受け入れており、事前審査はなし。芸達者やこの作品のファンにとっては、穴場のイベントかもしれない。

この日のおまつり広場では、コスプレで楽しむ、じゃんけん大会も開かれた。アニメやゲームのキャラクターにふんした主催者側の5人を倒せば、景品が大盤振る舞いされるとあって、子どもらが列を作った。

夜店が並んだ路上もにぎわった。アマチュアバンドの生演奏なども行われ、歩行者天国が終了する午後9時まで多くの人々が行き交った。

大賞の表彰式

コスプレじゃんけん大会

[デーリー東北新聞社三戸支局支局長 金澤一能]

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