衣が南部せんべい。アイデア光る新感覚唐揚げ。

2019/05/31 - ファンクラブ通信

チキン+せんべい=チキベイ

青森県の東南部に位置するおいらせ町で、5代続く鈴木商店。ガスなどの燃料の供給や食料品の販売、グループ会社の信愛商事による惣菜の販売や不動産業など、多岐にわたって業務を行う地域密着型の企業だ。その5代目で専務取締役の鈴木基雄さんが、町を活気づける、ありそうでなかったグルメを開発した。

「仕事というよりは、趣味のような感じで始まったんですけどね。ひらめいちゃったんです」と、笑顔で話す鈴木さん。開発したのは、衣に砕いた南部せんべいを使用した、鶏の唐揚げ「チキベイ」である。「このあたりでは、どの家庭でも食卓に南部せんべいを置いています。私もたまたま唐揚げを食べていたときに、テーブルにのっていた南部せんべいを一緒につまんだことがあって。これは合うなと、思いました」。その時、誰もが好きな唐揚げに、町民が愛する南部せんべいをまぶすことを思いついたという。1〜2年間試行錯誤したのち、商品化。販売を始めたのは、今から7年ほど前のことだ。

固くなりすぎないようにと、つなぎにおいらせ産のながいもを使用した南部せんべいは、特別にオーダーしたもの。「唐揚げとの相性が意外にも抜群」と、ゴマ煎餅を選んでいるそうだ。唐揚げには県産桜姫鶏を使用。「当然県産肉を使おうと思ったのと、この鶏肉は美味しいですから。自分のところで仕入れるので、いいものを安く提供することができるんです」。と、鈴木さん。一番苦労したのは味付けだという。「調味料もはじめは入れていましたが、できれば使いたくないなとやめて。いろいろと試して、何度も従業員や子どもたちに食べてもらいながら作った、体にやさしい自慢の塩味です」。

鈴木さんの力作を試食させていただいた。桜姫鶏のジューシー感と、南部せんべいのサクサク感のコラボレーションは、これまでに味わったことのない新食感。香ばしいゴマの風味も絶妙で、一口食べると、とまらなくなる。大人ならビールが欲しくなるところ。子どものおやつにもぴったりである。

 

イベントの人気者

2019年3月現在、チキベイは祭事やイベント時だけの限定販売である。イオンモール下田にある、信愛商事の直営店「どんちゃんの食卓」でも限定販売することがあるそうだが、不定期とのこと。日本食糧新聞社主催の「ファベックス 惣菜・べんとうグランプリ2018」の祭事・イベント部門で優秀賞の受賞を果たし、人気はますます高まっているが、地元民も簡単にはお目にかかれない。チキベイは、まぼろしの名物なのかも……?

だから、なおさら恋しくなるのだろうか。取材後何日もたたないうちに、またチキベイが食べたくなってしまった。あの食感と風味が忘れられない。イベントに出かけたら、チキベイののぼりを探すのが定番になりそうだ。その前に、県内のイベント情報をしっかりとチェックしておくことにしよう。再会を、楽しみに。

イベントの人気者、チキベイ。見つけたら、味わってみよう。

おいらせブランド認定品のご紹介(おいらせブランド推進協議会)

https://www.town.oirase.aomori.jp/soshiki/2310/oirasebrand.html

 

[大人のための北東北エリアマガジン rakra ラ・クラ ライター 井藤 雪香]

 

 
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