「サクランボ狩り」で旬の甘味を堪能

2019/08/09 - ファンクラブ通信

〝果樹の町〟で知られる南部町

リンゴで有名な青森県だが、中でも〝果樹の町〟として知られているのが南部町だ。何しろ、町長の売り文句が「バナナとパイナップルとミカン以外の果物は何でも採れる町」である。特にサクランボは県内随一の生産量を誇っている。夏が近づくと、町内には数多くのビニールハウスが並び、収穫時期の到来を知らせる。

もう一つの特徴は、観光農園、つまり食べ放題を楽しめる果樹園が充実していること。6月中旬~下旬に始まるサクランボ狩りを皮切りに、夏は梅、ブルーベリー、モモ、ナシ。秋にはブドウ、リンゴ、ゼネラル・レクラーク。冬はイチゴ…といったように、年間を通じて新鮮なフルーツを堪能できる。サクランボ狩りの期間は約1カ月だ。

観光案内所へGO

でも、サクランボ狩りをするにはどの果樹園がいいのだろう。

JR八戸駅から車で約30分、最初に「ながわ農業観光案内所」を訪れた。ここには期間中、敷地内に臨時案内所が設けられていて、どの果樹園のサクランボが収穫に最適なのか、情報が集まってくるという。(臨時案内所は国道4号線から近い場所にも設けられている。)今年は34の園地から選ぶことができた。

気になるのは料金だが、どの果樹園も40分食べ放題で、大人は千円で統一されており安心して利用できる。千円で食べ放題…早くも胸が高鳴る。

訪れたのはサクランボ狩り期間の初日だったが、案内所は既に県内外からの観光バスでにぎわっていた。地元の観光名所として定着していることが分かる。

案内された果樹園には、まさに真っ赤なサクランボが鈴なり。大人たちも無邪気な表情で、収穫と試食を楽しんでいる。1粒を口にすると、みずみずしい甘さが口いっぱいに広がる。種はその場にペッ。また一口、ペッ。これを40分間、エンドレスで味わえる至福の時間だ。

20の品種を食べ比べて

最も多い品種は佐藤錦だが、よくよく見ると、木によって実の色や形、大きさが微妙に異なっていることに気付く。町内の観光農園農家でつくる名川観光さくらんぼ園振興会の山本又一会長に話を聞いた。

「どの果樹園でも、多彩な品種を育てているんだよ。全部で20種類近くはあるかな。いろんな味を楽しんでほしい。品種によって収穫に適した時期も少しずつ違うんだ」。つまり、期間中に食べ頃のサクランボが無くなってしまう心配がなく、いつ来ても味わえるということだった。

「それから、最初に熟するのは枝先の実だから、ここが狙い目だね。品種によっては、青いまま熟するものもあるんだよ」。情報が多すぎて、メモが追い付かない。

体が不自由でも

平らな土地にある一部の果樹園では、車いすでの移動ができる。サクランボは低い枝の部分にも実がなるので、座ったままの収穫が可能。体が不自由で外出の機会が限られる人も、みんな一緒に楽しめるのは大きな魅力だ。

果樹園には直売所が併設されているので、一緒に来られなかった家族や知人向けにサクランボを買うこともできる。値段は園地や品種によって異なるが、いずれもリーズナブルな価格帯で、その場で宅配便の申し込みも済ませられる。別料金で自分が取ったサクランボの持ち帰りもOKだ。

八戸圏域に住む人であれば、気軽に立ち寄れる距離にある南部町。フルーツ狩りを一年中体験できるという「特権」を逃す手はないだろう。四季折々のフルーツ狩りの詳細は、ながわ農業観光案内所=電話0178(76)3020=で確認できる。

[デーリー東北新聞社報道部 井上周平]

[デーリー東北新聞社写真部 岸山 浩之]