「陸奥八仙」の酒粕で贅沢バスタイム
酒粕を美容に生かしたい
八戸市湊町の新井田川沿いに、古くから酒蔵を構える八戸酒造。伝統を受け継ぎながらも、未来を見据えた新商品作りに積極的に取り組んでいる。1998年に立ち上げた日本酒「陸奥八仙」シリーズは、スタンダードな「特別純米」から、フルーティーで柔らかい口当たりの「ピンクラベル」まで多様なバリエーションがあり、女性からの人気も高い。
「酒粕を美容に生かす、酒蔵ならではの商品を作りたい」。ある女性社員がそう提案したのは、2017年のことだ。日本酒の副産物である酒粕は多くの酵素を含み、健康や美容に良いことは広く知られている。実際、同社の酒蔵見学に来た人の手に水に溶かした酒粕を塗り込むと、美肌効果が実感できたのか、酒粕が売れた。それに着目し、日本酒が好きな人はもちろん、あまり親しみがない人にも、生活の中で日本酒の良さを楽しめることを知ってほしいと考えたのだ。
同年、女性社員1人と男性社員2人で開発チームをつくり、青森県生まれの美容成分「プロテオグリカン」を活用するためのセミナーに参加。カタログ通販大手「フェリシモ」の担当者から、商品の企画開発やマーケティング方法などについてアドバイスを受け、勉強を重ねた。さまざまなアイデアが出た中、18年12月、「陸奥八仙」の酒粕をパウダー状にして丸く固め、リラックスできる香りを付けた入浴剤「酒粕バスボム 八仙美人の湯」が産声を上げたのだった。
東北生まれの天然素材
心ときめく、色とりどりの「八仙美人の湯」。肌にうるおいを与えるのは、八仙の酒粕パウダーやプロテオグリカンのほか、岩手県野田村の粗塩、宮城県登米市の生姜パウダーと、東北生まれの天然成分をたっぷり配合した。香りにもこだわり、「ローズ+ゼラニウム」「ラベンダー」「ユーカリ」「イランイラン」「スウィートオレンジ+シダーウッド」など、気分に合わせて選べる。
バスタブに入れるとゆっくり溶け始め、それぞれの色に染まっていく。一日の疲れを癒やす、贅沢(ぜいたく)なバスタイムの始まりだ。かさつくお肌はしっとりし、湯冷めもしにくい。
バスボムで恋占い?
新酒が出来上がると、酒蔵の軒先には色鮮やかな杉玉が下げられる。その杉玉をイメージした、グリーンの「酒粕フォーチュンバスボム」は、数量限定品だ。パッケージを開くと、森林浴を思わせる爽やかなティーツリーの香りがはじけ、お酒の大好きな仙人たちが、あなたの恋に一言アドバイスする「恋みくじ」が現れる。仙人は8人。さて、あなたの恋の行方は?
ギフトにもぴったり
テトラ型の特徴的なパッケージには、仙人の中で紅一点の「何仙姑(かせんこ)」をモデルにした、レトロなタッチのイラストが描かれている。見た目もかわいく、肌もうるおうこだわりのバスボムは、ギフトにもぴったりだ。いつも頑張っている自分へのごほうびに、小さな子どもと一緒のバスタイムに、大切な人への贈り物に、ぜひ手に取って、八戸が生んだ「美肌の湯」を感じてほしい。
(デーリー東北新聞社業務推進部 ライター 田名部瑠衣)