移住者のライフスタイル米澤 雅貴さん (三戸町 令和4年 Jターン)
米澤 雅貴(よねざわ・まさき)
1985年生まれ、青森県弘前市出身。2004年、美術関連の仕事に就くため渡仏。フランス東北部のストラスブールにて額録製作と壁画修復に従事。 2013年、帰国。東京にてエンジニア、ITコンサルタントを経験。さらに2019年、中小企業診断士資格を取得し独立。2021年11月、三戸町地域おこし協力隊に着任。ホップ栽培に取り組むとともに地ビール製造に向けた技術の習得を行う。趣味は温泉・バーめぐり。
ホップ生産からビール醸造まで手がけて発信。地域活性化につなげる
三戸町の地域おこし協力隊員として、「ホップ生産再生プロジェクト」に取り組む米澤雅貴さん。東京でITコンサルティング業を営んでいましたが、コロナ禍でリモートワークが増えたことを機に青森県へのUターンを模索。当初は故郷の弘前市周辺への移住を検討していましたが、移住説明会で三戸町のホップ生産の歩みや、後継者不足のため生産が途絶えたことを聞き、「自分がやってみたい」と思わず手を挙げていました。協力隊員となり、三戸町と田子町の境界近い山里で試験栽培を開始。地域のホップ農家の先達に教えを請い、国産ホップに着目した都内の香料会社の協力も得ることができました。
「1年目は栽培方法を覚えるだけで精一杯。2年目に土壌作りを勉強し始めて楽しくなって。協力隊最終年の今年は、去年の倍の収量を見込んでいます」とすっかり青年農家の顔です。
任期満了後は農家として独立することを見据え、畑の移転とともに規模を大幅に拡大。現在の2アールから70アールまで増やし、収量向上を目指します。岩手県久慈市・平庭高原の醸造所を借りてビールを醸造することも決まり、2025年春の稼働を目標に準備中です。
「醸造を習得して、畑での収穫体験やお酒作りの見学など、原料栽培からプロダクト製造までの流れをコンテンツ化したい。そのコンテンツを目当てに色々な人が三戸町や周辺地域を訪れてくれたら良いですね。お酒造りだけじゃなく、町民と訪れた人の交流も生まれる”コミュニティブリュワリー”みたいなものができたら」
「三戸をお酒と香りを楽しめる町にすること」が夢。ジンの製造を目指し、香料となるジュニパーベリーの試験栽培に取り組んでいるほか、「三戸町や周辺地域で栽培がさかんな果樹を使ったリキュール製造にも挑戦してみたい」と意欲を燃やします。
移住者よ、外に出よう 異郷で楽しく生きるコツ
高校卒業後に渡仏。9年間、異国で額縁製作と壁画修復に取り組んだ経験を持つ米澤さん。最後に米澤流「知らない土地で楽しく暮らす方法」を教えてくれました。
「分からないことは一人で調べるより人に聞く。どの町にも必ずいる面白そうな人を見つける。そのためにまず、外に出る」
この3年間で県内外の協力隊員やホッブ農家、プリュワリーやITの関係者と築いてきたつながりが、三戸町で事業を興すカになったと感じています。
「周りの方に助けられてきたので、今度は僕が誰かを助けていきたい。協力隊員の後輩を含め、新しく町に来る人がいたら僕にできることは協力したいと思っています」